2010年3月28日日曜日

ありがとう幌加内

もう一週間経ってしまいましたが、3月21日に幌加内を離れました。

当日は離町式をしていただきました。
幌加内に来るまで、離町式というものを僕は知らなかったのですが、引越し当日に町内の方が集まってくれて、最後にご挨拶を述べるというものです。

その日は、春の嵐であられ混じりのすごい風だったので病院の待合室で離町式がありました。
引越し作業が長引き、ギリギリの時間に待合室に入ると町長はじめたくさんの町民の方々に集まっていただいていました。

最後のご挨拶は、家族も一緒に呼びました。
幌加内に着任したときは全く知らなかった方々が、今はそれぞれの方とのいろんなエピソードを思い出せる馴染みの方々になって、目の前で温かく見送りに来ていただいている。二年十ヶ月の日々はむちゃくちゃ濃かったけど、過ぎてみるとあっという間で。

卒業式でも結婚式でも泣いたことはありませんでしたが、この時は号泣してしまいました。

介護や福祉のこと、制度のこと、行政との関わり、限界集落、農家の方々の腰や膝の変形の強さ、在宅診療、在宅で家族に見守られてのお看取り、地元で育った方々が地元で亡くなるということ、地域に求められる医療、予防医療、健康教育などなどなど仕事でも本当に沢山のことを学び教えてもらいました。

幌加内に来て子どもが二人生まれて五人家族になり、子ども達も町の皆さんにかわいがって頂きました。家族との濃密な時間も過ごせました。

そば打ち、新そば祭、バンダーズ、ひょっとこ、ピアノレッスン、発表会、山菜採りなどなどなど楽しい思い出も沢山です。

病院の中での医者と患者さんというだけの関係を越えて、地域の住民として接していただいて嬉しかったです。沢山のおじいちゃん、おばあちゃん、父さん母さん、友達、仲間、子ども達が増えました。

川崎、横浜のベッドタウンで育った僕には、今まであまり地域の方とのつながりを感じたことはありませんでしたが、幌加内は僕にとっても、僕の家族にとっても、心の故郷になりました。

三年弱という人生の中では一瞬の短い期間でしたが、幌加内に来られて本当に良かった。

幌加内での経験をこれからの仕事(佐賀大学病院の地域医療支援学講座)にも活かしたいと思います。
そして、なんらかのかたちで幌加内に将来恩返しが出来ればと思います。

幌加内の皆さん、本当に本当にありがとうございました。

ありがとう、幌加内。
さようなら、幌加内。


(一年間のご愛読ありがとうございました。4月からは、新執筆人による新しいホロカナイライフが始まる予定(?)です。引き続き、ご愛顧のほどよろしくお願いいたします。 )

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