2009年12月30日水曜日

仕事納め


今日は仕事納めでした。
北部診療(幌加内町北部の診療。町の南に位置する町立病院から北部地区までは車で30~60分かかり、週に1~2回のみの診療)は昨日が年内最後で、o診療所長の代診として久々に僕が行きました。

おそらく僕にとっての最後の北部診療です。

昨年度までは週に1回は北部診療に行っていたので、最後と思うとなんだか少し寂しい気持ちでした。
朱鞠内診療所のドアを閉め、しめ縄を飾ってパチリ。

今日は、年の瀬もせまっていて患者さんは多くはありませんでした。

明日から年明け5日までは休診です(急患対応はもちろんOKです)。


この1年間、いろいろなことがありました。

生検じゃなくて、政権が交代しましたが、来年度の診療報酬はほんのちょっとのアップのみみたいで、特に不採算地区の自治体病院・診療所の経営が劇的に改善するとは思えません。どうなるんだろう。

世界的には新型インフルエンザが流行しましたね。町内でも流行しましたが幸い重症化した方はいませんでした。

新型インフルエンザのワクチンでは、現場は大混乱でしたがホロカナイは人口が少ないので比較的スムースにできていたと思います。国民のワクチンへの関心が高まったいま、予防医療への理解とワクチン行政の改善を期待します。

ホロカナイでは、今年度からヒブワクチン、水痘ワクチン、ムンプス(おたふくかぜ)ワクチンの全額助成を開始することもできました。

「ホロカナイ」と銘打っているため、そして小さな町なので具体的なことは個人が特定されてしまうためブログには書きませんでしたが、1年間で亡くなられた患者さんももちろんおられます。

亡くなられた方々のご冥福をお祈りし
また、1年間過ごせたことを感謝したいと思います。

みなさま、良いお年を!!

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2009年12月28日月曜日

年越し「手打ち」蕎麦

年の瀬ですねー

当院では30日夕まで診療しています。

昨夜は、実家や親戚に送る年越し蕎麦を
チビたちが寝てから、黙々と打ちました。

出来は、まずまずと思うんですが・・・喜んでもらえるといいのですが。


さて、年越し「手打ち」蕎麦を食べたいあなたに朗報です!

なんと幌加内の手打ち蕎麦屋さんでは、手打ち蕎麦の通販を行っています。

道外はぎりぎり明日には送らないと行けないので、大晦日に間に合いませんが(紹介が遅くてスミマセン)

道内だったら、明日注文すれば、あさって配送で大晦日に間に合いますよ~

詳しくはこちらを
「八右エ門」さん http://www2.plala.or.jp/hachiemon/hanbai.html
(「霧立亭」さんの年越し蕎麦販売は終了しました http://www.kiritatitei-soba.com/

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2009年12月25日金曜日

研修医にとってのホロカナイライフ

北海道大学病院初期研修医のNせんせーのホロカナイでの4週間の地域医療研修が今日終了しました。
ほんとは、関係者で盛大に送別会をしたかったんですが、院長一家、幌太郎一家、そして主役のNせんせーもみんな!風邪をひいていたのでできませんでした。

が、ホロカナイに来てクリスマスイブの夜を宿舎で1人で、しかも風邪っぴきで過ごしてもらうのはあんまりなので、昨夜は我が家のクリスマスディナー(笑)にご招待しました。

Nせんせーは我が家のチビ太、チビ子にクリスマスプレゼントのお菓子を用意してくれていて、子どもたちは大喜び。

楽しいひとときを過ごしました。

そして、今朝。
チビたちの枕元には、サンタさんからのプレゼントがありました。

チビ太は「シンケンジャーだ!!」とシンケンジャーのソフビ人形とショドウフォン(ただし一回り小さく、音もでない)に喜んでいました。チビ子には、おままごとセット。

「サンタさん、来てくれたんだ~」

子供が喜ぶ顔を見るのって嬉しいものです。


最後にNせんせーのホロカナイ研修の感想の一部をご紹介します。

『この研修で、自分は今まで医療の一側面しか見たことがなかったのだということを知り、大変勉強になりました。
日々の診療において医学的に正しいことが必ずしも正しい医療ではないということ、行政との関わり、予防を始めとした公衆衛生に至るまで、幅広い“医療”を見せていただくことができ、この経験を少しでもこれからに生かしていけたらと思います。
また、先生に色々と誘っていただいて、とても楽しいホロカナイライフを送ることができました。まさかあんなに温かいクリスマスを過ごせるなんて、思ってもいませんでした!』


と、充実した研修、ホロカナイライフを過ごしてもらったようで、とっても嬉しいです。
病院関係のみならず、そばうたん会やひょっとこ倶楽部など幌加内の地域の皆さんの輪に参加させていただいたことも大きかったと思います。

Nせんせーは初期研修終了後は専門分野に進まれますが、今回の研修が将来のNせんせーの患者さんの少しでも役に立つことができたなら、こんなに嬉しいことはありません。

お互い、これからも頑張りましょー!!


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2009年12月24日木曜日

White Christmas !!

今週はずーっと雪が降っています。

除雪車が大活躍です。

昨日、我が家のチビ太があまりに悪さをするので
「サンタさん、来ないぞ!」と怒ったら

『サンタさんにお手紙を出さなかったから、サンタさん来てくれなかった・・・』
という夢を見たそうです

あんまり子どもを脅したらダメですね。

ごめんよ!チビ太!

さあ、今夜サンタさんは来てくれるかな?
幌太郎一家が家族で過ごす「ホワイト」クリスマスは今年が最後かもしれません。



みなさん、暖かいクリスマスをお過ごしください!

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2009年12月19日土曜日

雪はねビフォーアフター

今週末は札幌医大・地域医療総合医学講座の先生に
当直支援に来ていただいているので

今日は、ゆっくり家の雪はねをしました。

玄関の上の屋根に雪がこんもり積もっていて、
チビ達の上に落ちたらペシャンコやな〜と
気になっていたところを除雪しました。



しかし、よく降るな〜

さすが幌加内!!


ホロカナイのスキー場(ほろたちスキー場)は今日、オープンしたようです。
パウダースノウが堪能できますよ〜


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2009年12月17日木曜日

クリスマス会

昨日は病院の介護部門のクリスマス会がありました。

介護スタッフを中心に準備がなされ、
会議室が綺麗に飾り付けをされてクリスマスパーティー会場になりました。

最初に院長が挨拶をして開会。
今年は僕がサンタクロースになって、スタッフ手作りのケーキをみなさんに配りました。

その後、介護スタッフによるペープサートやプレゼント釣りがあり、
みんなでクリスマスソングを歌ったりしました。

認知症のため、普段は怒りがちなある患者さんも
この日はスタッフのトナカイのかぶりモノに大ウケで
「ごくろうだね〜ごくろうだね〜」と楽しそうに笑われていました。

スタッフも患者さんも一緒になって楽しいひとときを過ごすことができました!


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2009年12月14日月曜日

マチのごみステーション

唐突ですが、僕が住んでいる町内会のゴミ収集日は月曜日です。

なので、月曜日の朝は10分くらい早起きをして、出勤時にゴミ置き場(ゴミステーション)に寄っていきます。

で、1年の半分くらい雪があるホロカナイでは(道内では常識?)
ゴミ置き場は、写真のようなコンテナで雪が降っても大丈夫になっています。

コンテナの扉は、重くしっかり閉まるので猫(ホロカナイではキツネ)やカラスに荒らされる心配もありません。

このコンテナもホロカナイに来たばかりのときはちょっとしたカルチャーショックでしたが、いまでは日常の風景になっています。


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2009年12月11日金曜日

しばれた~

今朝はずいぶん「しばれ」ました!

出勤時の気温は-15℃。
ホロカナイ北部の朱鞠内(シュマリナイ)はもっとしばれたことでしょう。

朝は快晴で、病院前の樹氷が朝日に輝いていました。

鼻から大きく息を吸い込むと…鼻毛が凍ります。
幌加内に来て最初の冬、初めて鼻毛が凍ったときは一瞬何が起きたのわかりませんでしたが、3回目の冬を迎えた今は慣れました。

鼻毛が凍りだすと、ああ今年も冬本番になってきたなあと実感します。
全然ロマンティックじゃありませんが、雪国での生活のリアルです。



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2009年12月10日木曜日

地域医療研修と想像力


昨日は研修医のNせんせーと訪問診療に2件行きました。

今まで大きな病院で研修してきたNせんせーには、いわゆる風邪などの「普通の病気」が逆に珍しかったり、まして訪問診療のような「患者さんの生活の場」での診療はとても新鮮だそうです。

将来、専門医になる場合も初期研修医時代にほんの少しでも、このような地域医療の現場を見てもらうことによって、専門医になったときに目の前にいる患者さんが大きな病院を退院して地元に帰ったときにどんな生活をされるのだろう?そしてどんなことに困る可能性があるだろう?と少しでも想像することができると思います。

まあ、それぞれの医者の感性にもよるんですが。Nせんせーはそのへんバッチリです。

忙しい専門医が全て自分で、患者さんの退院後のマネージメントをすることは不可能です。

だけど、そのような想像力があれば、例えば病院のソーシャルワーカーに相談して、家族や地元のケアマネと連絡をとってもらうなどして患者さんがより良く暮らせる援助に貢献することができると思います。

そういう意味でも、ホロカナイでの地域医療研修を通して、若い研修医のみんなにとって、そして彼らの将来の患者さんにとって少しでも役に立ちたいな、と思っています。


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2009年12月7日月曜日

緩和ケア総合診療マニュアル

僕が所属している佐賀大学医学部・総合診療部で翻訳した本のご紹介です。

10月にプリメド社から出版された

『緩和ケア総合診療マニュアル』

ゲイリー・ジョハンソン 著  小泉俊三 監訳  
佐賀大学医学部・総合診療部 翻訳

プリメド社

2800円(税別)
です。

人は誰でも100%亡くなるわけで、その時期が早く来るのか遅く来るのかの違いはあるにせよ、誰しもなるべく苦しまずに死にたいと思っていると思います。
人が死を目前にひかえた一定の期間のことをターミナル(ステージ)や末期と呼ぶことがありますが、このターミナルステージをより豊かなものにするためには、痛みをはじめ様々な症状を和らげる(=緩和ケア)ことが必要不可欠です。

今回、僕らが翻訳した本は米国の緩和ケア専門医が書いた緩和ケア診療に関するもので『Clinicians Handbook of Symptom Relief in Palliative Care』という本の第5版になり、米国では2007年に出版されています。同書の第4版は1994年に出版され、その翻訳も佐賀大学医学部・総合診療部で行い1998年に『ターミナル・ケアの症状緩和マニュアル』というタイトルで出版されています。

僕がホロカナイに赴任する前の2005年に著者であるゲイリー・ジョハンソン先生を米国カリフォルニアのサンタローザに訪ね、ジョハンソン先生のホスピスや在宅診療などを見学させていただいたこともあり、今回の翻訳本の編集をさせてもらいました。翻訳は医局の先生を中心に、佐賀大学病院の小児科や緩和ケア科の先生や看護師さんを含む18名で分担して行いました。
緩和ケアにおける様々な症状ごとに章が分かれていて、わかりやすく臨床で使いやすくなっています。米国の本なので、薬剤の投与量は米国におけるものですが、注釈で日本での投与量も書いています。文献や役立つサイトのURLも載せています。

目次は次のとおりです。

1)ホスピスと緩和ケア 2)コミュニケーションについて 3)痛み 4)悪心と嘔吐
5)食欲不振と悪液質  6)便秘 7)下痢 8)腸閉塞 9)呼吸困難 10)咳そう
11)抑うつ症状 12)不安とせん妄 13)耐えがたい苦痛  14)不眠 15)尿路の症状
16)皮膚と口腔のケア 17)小児の緩和ケア 18)末期HIV感染症
19)末期がんでのステロイド使用 20)持続皮下注入 21)侵襲的鎮痛法
22)その他(痙攣、かゆみ、しゃっくり、高カルシウム血症など)

となってマス。

医学生や研修医、医師、看護師の皆さんにもおすすめです!

以下、出版社(プリメド社)の紹介文です。

『種々の苦痛に幅広い視点でアプローチする緩和ケアマニュアル』 
米国のホスピス緩和医学専門医が,がん末期に伴うさまざまな苦痛緩和を紹介。著者の長年にわたる経験から得られたあらゆるスキルを紹介するとともに,ケアに必要な心構えまでも網羅。
豊富な項目と充実した内容にもかかわらず,箇条書きにしたコンパクトな解説文とすっきりしたレイアウトが読みやすい。


”プライマリケアと患者支援の医学書出版”プリメド社HP http://www.primed.co.jp/index.html

アマゾンでのご注文はこちら(笑)
http://www.amazon.co.jp/緩和ケア総合診療マニュアル-ゲイリー-ジョハンソン/dp/4938866447


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2009年12月3日木曜日

病院の外で学べること

今週から北海道大学病院の研修医2年目のNせんせーがホロカナイに研修に来てくれています。

Nせんせーは札幌の出身なんですが、幌加内は初上陸とのこと。

水曜日は、一緒に3件の訪問診療に行きました。
訪問診療は、診察室ではなく患者さんの「生活の場」での診療なのでいろいろなことがわかるし、
患者さんもご家族も自宅でリラックスされているのでお話も弾みます。

患者さんのお家の雪に覆われた蕎麦畑の前で写真をパチリ。

その晩は、おなじみ研修必修科目である「幌加内そばうたん会での蕎麦打ち体験」でした
Nせんせーは蕎麦打ちは人生2回目とのことでしたが、病院事務長のMさんご指導のもと、かなり上手に打てていました。才能あるかも。
蕎麦打ちのあとは、うたん会会員のみなさんとの宴会で交流を深めてもらいました。

で、翌朝にNせんせーは自分で打った蕎麦をチルド便で実家に送っていました。
ホロカナイで研修すると、親孝行もできます!

そして今夜は、役場の組合学習会で町の保健師さんたちによる「健康セミ
ナー」にも一緒に参加しました。

役場職員の皆さんとチームごとに「健康クイズ」の得点を競うというもので楽しかったです。
食品のカロリーに関する問題で、恥ずかしながら結構間違えてしまいました。

例えば、次のうち一番カロリーが低いケーキはどれでしょう?
①ショートケーキ②チョコレートケーキ③モンブラン④チーズケーキ
答えは・・・
④チーズケーキです!みたいな感じで盛り上がりました。
ちなみにそれぞれのカロリーは①400kcal②400kcal③500kcal④200kcalだそうです。

もう一問。次のジュースに含まれる砂糖の量が多い順に並べなさい。
①コカコーラ500 cc ②缶コーヒー(エメラルドマウンテン)190 cc ③ポカリスエット500 cc④クー 300 cc
答えは・・・
コカコーラ57 g>ポカリスエット33 g>クー30 g>缶コーヒ15 g です。

常々、患者さんに対しては「分かりやすい言葉で、具体的に」を心掛けているつもりですが、自分、全然具体的なこと分かってなかったっす。とても勉強になりました。

健康セミナーの最後にちょっとだけ、禁煙のススメと町立病院の禁煙外来の宣伝をさせてもらいました。

Nせんせーもいろいろと今後のヒントになったことが多かった2日間だったと思います。
ホロカナイでは病院以外でも医師として生きていく上で大事なことが沢山学べます。



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2009年12月2日水曜日

国内初の「乳幼児のロタウイルス胃腸炎予防ワクチン」が承認申請

※12月3日17時までタイトルおよび本文で「ロタウイルスワクチンが承認」と書いていましたが、正しくは「承認申請」でした。ワクチンへの想いのあまり、承認されたものと早合点してしまいました。
間違った情報を書いてしまい、すみません。お詫びと訂正を申し上げます。


いよいよ師走に突入ですね~
Run! Doctors! Run!

さて、冬から春先にかけて主に乳幼児を中心に流行する「ロタウイルス」胃腸炎の予防ワクチンが 11月27日に国内で初めて承認申請されました!

下記にもあるように日本では、ロタウイルスによる胃腸炎で亡くなる子どもは10人弱と少ないですが、感染力が強く、乳幼児は嘔吐や下痢により脱水になりやすく入院が必要になることもあります(日本での5歳未満時の入院は年間78000人!)。

ヒブや肺炎球菌、インフルエンザなどと同様にワクチンで発症を予防できるようになれば、子ども本人のみならず看病する家族の負担もかなり減らせることができます。
現時点ではロタウイルスに対する薬(抗ウイルス薬)はなく、手洗いなどでしか予防できません。

承認され、発売されるようになったら我が家のチビたちにも接種させたいと思っています。
小児のウイルス性腸炎の2大巨頭はロタとノロなので、ノロウイルスのワクチンもあるといいんですが。


以下、製薬会社(グラクソ・スミソクライン)のプレスリリースより(一部抜粋)

ロタウイルス感染症は世界的に広く見られ、乳幼児の急性重症胃腸炎の主な原因になっています。
 世界でのロタウイルス胃腸炎による年間死亡者数は60万人以上と推定され、死亡例の多くは、アフリカ、インド亜大陸、およびラテンアメリカなどの途上国で発生しています。

国内では医療体制が充実しているものの、ロタウイルス胃腸炎による死亡は毎年10人弱報告されています。 
多くの乳幼児が罹患し、6歳未満の小児のうち年間約80万人(累積罹患率で見ると約2人に1人)がロタウイルス胃腸炎により外来受診していると推計されています。
さらに、下痢や嘔吐による脱水症状といった重症化で、毎年5歳未満の小児約78,000人(累積罹患率で約15人に1人)が入院しているとの推計もあり、その多くが生後24ヵ月未満と報告されています。
また、脳炎・脳症などの合併症の報告例もあります。このように対象となる患者さんが小さいことから、ご本人はもちろんのこと、ご両親をはじめとするご家族の精神的、ならびに時間的負担も大きく、入院時の付き添いや通院、看病による社会的損失も大きいと考えられます。
また、ロタウイルスは感染力が強いウイルスで、医療機関や保育施設などで、しばしば施設内感染が発生しており、医療現場にとっても大きな負担になっています。

このたび国内で承認申請した Rotarix はロタウイルスによる胃腸炎を予防する、弱毒化されたヒトロタウイルスの経口ワクチンです。5つの大陸に渡って実施された世界規模の臨床試験では、現在出現しているG9ロタウイルス株を含む最も流行しているウイルス株(G1および非G1ロタウイルス株)に対して予防効果が認められました。現在 Rotarix は、乳幼児を対象に凍結乾燥製剤あるいは液剤として世界116ヵ国で承認を取得しております。日本では液剤の製造販売承認申請を行いました。
Rotarix は、2009年6月にWHOから事前認定を取得しており、さらに各国のワクチン接種プログラムにロタウイルスワクチン接種を含むことがWHOの専門家による顧問団により推奨されました。
Rotarixは2回の接種により、生後早い時期からロタウイルス胃腸炎に対する予防が可能となります。

日本で承認申請を行うにあたり、2007年6月より国内臨床試験を実施し、765名の生後6~14週の健康な乳児を対象にワクチン接種群とプラセボ群とに分け、安全性と効果の検証を行いました。治験の期間は約22ヵ月(各被験者が2歳になるまで観察)です。

GSK社長のマーク・デュノワイエは次のようにコメントしています。
「ロタウイルス胃腸炎は乳幼児にとって深刻な疾患ですが、国内においてはその治療は対症療法のみであり抗ウイルス薬などの有効な治療法はありません。国内外の臨床試験成績からロタウイルス胃腸炎に対する高い予防効果が期待でき、世界で広く使用されている Rotarix は、ロタウイルス胃腸炎の予防ワクチンとして医療上の有用性は極めて高いものと考えています。」


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