2009年12月2日水曜日

国内初の「乳幼児のロタウイルス胃腸炎予防ワクチン」が承認申請

※12月3日17時までタイトルおよび本文で「ロタウイルスワクチンが承認」と書いていましたが、正しくは「承認申請」でした。ワクチンへの想いのあまり、承認されたものと早合点してしまいました。
間違った情報を書いてしまい、すみません。お詫びと訂正を申し上げます。


いよいよ師走に突入ですね~
Run! Doctors! Run!

さて、冬から春先にかけて主に乳幼児を中心に流行する「ロタウイルス」胃腸炎の予防ワクチンが 11月27日に国内で初めて承認申請されました!

下記にもあるように日本では、ロタウイルスによる胃腸炎で亡くなる子どもは10人弱と少ないですが、感染力が強く、乳幼児は嘔吐や下痢により脱水になりやすく入院が必要になることもあります(日本での5歳未満時の入院は年間78000人!)。

ヒブや肺炎球菌、インフルエンザなどと同様にワクチンで発症を予防できるようになれば、子ども本人のみならず看病する家族の負担もかなり減らせることができます。
現時点ではロタウイルスに対する薬(抗ウイルス薬)はなく、手洗いなどでしか予防できません。

承認され、発売されるようになったら我が家のチビたちにも接種させたいと思っています。
小児のウイルス性腸炎の2大巨頭はロタとノロなので、ノロウイルスのワクチンもあるといいんですが。


以下、製薬会社(グラクソ・スミソクライン)のプレスリリースより(一部抜粋)

ロタウイルス感染症は世界的に広く見られ、乳幼児の急性重症胃腸炎の主な原因になっています。
 世界でのロタウイルス胃腸炎による年間死亡者数は60万人以上と推定され、死亡例の多くは、アフリカ、インド亜大陸、およびラテンアメリカなどの途上国で発生しています。

国内では医療体制が充実しているものの、ロタウイルス胃腸炎による死亡は毎年10人弱報告されています。 
多くの乳幼児が罹患し、6歳未満の小児のうち年間約80万人(累積罹患率で見ると約2人に1人)がロタウイルス胃腸炎により外来受診していると推計されています。
さらに、下痢や嘔吐による脱水症状といった重症化で、毎年5歳未満の小児約78,000人(累積罹患率で約15人に1人)が入院しているとの推計もあり、その多くが生後24ヵ月未満と報告されています。
また、脳炎・脳症などの合併症の報告例もあります。このように対象となる患者さんが小さいことから、ご本人はもちろんのこと、ご両親をはじめとするご家族の精神的、ならびに時間的負担も大きく、入院時の付き添いや通院、看病による社会的損失も大きいと考えられます。
また、ロタウイルスは感染力が強いウイルスで、医療機関や保育施設などで、しばしば施設内感染が発生しており、医療現場にとっても大きな負担になっています。

このたび国内で承認申請した Rotarix はロタウイルスによる胃腸炎を予防する、弱毒化されたヒトロタウイルスの経口ワクチンです。5つの大陸に渡って実施された世界規模の臨床試験では、現在出現しているG9ロタウイルス株を含む最も流行しているウイルス株(G1および非G1ロタウイルス株)に対して予防効果が認められました。現在 Rotarix は、乳幼児を対象に凍結乾燥製剤あるいは液剤として世界116ヵ国で承認を取得しております。日本では液剤の製造販売承認申請を行いました。
Rotarix は、2009年6月にWHOから事前認定を取得しており、さらに各国のワクチン接種プログラムにロタウイルスワクチン接種を含むことがWHOの専門家による顧問団により推奨されました。
Rotarixは2回の接種により、生後早い時期からロタウイルス胃腸炎に対する予防が可能となります。

日本で承認申請を行うにあたり、2007年6月より国内臨床試験を実施し、765名の生後6~14週の健康な乳児を対象にワクチン接種群とプラセボ群とに分け、安全性と効果の検証を行いました。治験の期間は約22ヵ月(各被験者が2歳になるまで観察)です。

GSK社長のマーク・デュノワイエは次のようにコメントしています。
「ロタウイルス胃腸炎は乳幼児にとって深刻な疾患ですが、国内においてはその治療は対症療法のみであり抗ウイルス薬などの有効な治療法はありません。国内外の臨床試験成績からロタウイルス胃腸炎に対する高い予防効果が期待でき、世界で広く使用されている Rotarix は、ロタウイルス胃腸炎の予防ワクチンとして医療上の有用性は極めて高いものと考えています。」


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