2010年2月25日木曜日

もう春なの?

ぽたぽた

ちょろちょろ

ぴちゃぴちゃぴちゃ

今日、外を歩くとそこら中でそんな音がしていました。

そう、それは雪解けの音。

雪国の人には当たり前の、春の訪れの音だと思いますが、関東ー九州育ちの僕にとっては「雪解け」という言葉は知っていても、その音や空気感はホロカナイに来て初めて知りました。

今日は全道的に暖かく、15℃あったところもあるそうで、2月の気温としては観測史上最も高いとのことでした。ホロカナイも10℃を越えていたんじゃないでしょうか。

数日前はマイナス10℃を下回っていたので、寒暖差は20℃以上・・・
降雪量は例年以上に多いのに。

世界も日本もホロカナイも、もはや異常気象が「異常」でなくなってしまったのか。

積もっていた雪がどんどん解け、水たまりをつくり、屋根の雪もドサドサ落ちていました。
我が家のかまくらも危ないので、つぶしてしまいました。

春が来るのは嬉しいけど、幌太郎一家の幌加内生活も残り3週間ちょっととなってしまったので、せっかくならギリギリまでホロカナイの「冬」を味わいたかったような。
ちょっと複雑な心境です。


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2010年2月23日火曜日

雪だるまの謎

幌加内の降雪量は例年より多く、累計降雪量はすでに16メートルを超え、積雪量は全国第3位だそうです。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki/215380.html


ところで、ホロカナイで地元の子供たちが「雪だるま」を作っているのを見たことがありません。


僕が幼少期を過ごした川崎や横浜では、雪は良くて年に数日しか降りませんでした。
なので、夜の間に雪が降った翌朝、カーテンを開けたときは感動しました。
昨日までの景色が、白く輝いてぱ~っと明るくなります。

子どもはみんな嬉しくて、校庭で雪合戦や雪だるまを作ったものです。


ところがホロカナイでは、雪だるまを全然見ない。
ホロカナイに来て最初の冬は、そのことが不思議でした。

なんで、こんなに雪があって、雪だるま作りたい放題なのに全然ないんだ?

しかし、すぐに理由がわかりました。


雪だるまがいないのは、たぶん

①雪がパウダースノウ過ぎて固まらない

②そもそも雪なんか珍しくなくて、子どものテンションが上がらない


からかなあ、と思います。

先日からホロカナイに来ている、関東育ちの弟は雪に大はしゃぎ。
ボーダーの彼は、町内のほろたちスキー場のパウダースノウに大喜び。
チビ太たちのために我が家の玄関前の雪の壁を彫って(だるまにならないので、彫像?) かまくらや雪だるまを作ってくれました。



インドアな僕にはない発想だったので、チビたちも喜んで助かります。




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2010年2月22日月曜日

認知症の理解を深める

今日は勤務後に院内で、病棟の介護福祉士による「認知症についての理解を深めるための研修会」がありました。

病棟の介護・看護スタッフを中心に、理学療法士と僕ら医師も参加しました。

日本は高齢化がどんどん進んでいるので、当然認知症もどんどん増えています。
ホロカナイも65歳以上の人口は35%を超えていて、病棟の患者さん(利用者さん)のほとんどに認知症があります。

研修会では、まず認知症について、その分類、原因など病気としてのひととおりの説明、
中核症状(認知機能障害)や周辺症状(BPSD:不安、抑うつ、興奮、不眠、被害妄想など)についての解説のあとに

参加者が「もし自分が認知症になったら」というテーマで、して欲しくないこととして欲しいことを書く時間がありました。

僕は

して欲しくないこと:タメ口で話してほしくない、バカにしないでほしい(認知症の症状を笑わないでほしい)、子ども扱いしないでほしい、など

して欲しいこと:話をよく聞いてほしい、笑顔で接してほしい、何度もわかりやすく説明してほしい、ありのままを受け止めてほしい、など

と書きました。

そのあと、認知症の人との関わり方について、認知症の方の心理的特徴、好ましいコミュニケーション、好ましくないコミュニケーション、不安を増す言葉かけ・態度・行動の例示などがあり、いろいろ勉強になりました。

相手の話に合わせることは大切だけれど、同時にウソはつかずに、上手に現実を伝える、などなかなか難しいんですが、実践しようと思いました。

そして、自分自身を知り、相手との関係、相互に影響しあう関係を客観的に見ることなど、つまるところ、認知症の人に対して心がけることは、普段から人と接するうえで大切なことと全く同じだとわかりました。

まあ、当たり前のことなんですが。

普段の診療の限られた時間のなかで、「こちらの都合だけ」で対応しないこと、しかしそれでいて、こちらにも患者さんにも(そして家族にも)過度の我慢がかからない関係を築くことは、実に深く大変なことですが、少しずつ身につけたいものです。

そして、不安を増す言葉かけの例では、自分がチビ太(3歳)に対して言ってしまっている言葉ばかり。
「だめ!」「そうじゃないでしょ!」「何をしているの!」などなど。

うーん、親も成長せないかんなー


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2010年2月18日木曜日

子宮頸がん予防接種無料

今朝の北海道新聞の空知版にホロカナイのことが載りました。

以下、記事の引用です

  子宮頸がん 予防接種無料
   新年度、少子化対策で

 幌加内町は新年度、町内の女子中学生(15人)を対象に子宮頸がん予防ワクチン接種費用を全額助成する方針を決めた。子宮頸がんは近年、20〜30代の若い女性の発症が急増しており、進行すると子宮を摘出する必要があるため、少子化対策として行なう。

 ワクチンは3回接種し、費用は約4万5千円。町内の女子中学生が町国保病院と町内の町立診療所でワクチン接種を受けた場合、医療機関が町に費用を請求し、患者は支払いの支払いの必要がない。町は費用として新年度予算案に約65万円を盛り込む。

 子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)に何度も感染することで発症。HPVは主に性行為で感染するため、日本小児科学会などは11〜14歳の接種を勧め、公費接種を求めている。

 町保健福祉課は「人口が少ないので取り組みやすい面もある。医療費抑制にも期待している」としている。またワクチンは特に発症率の高い二つの型のHPVにしか効果がないため、助成を提案した町国保病院の幌太郎(仮)医師は「早期発見のためには検診も非常に重要」と受診も呼び掛けている。


以上、引用終わり。


今回の子宮頸がんワクチンは、各地の自治体でも助成を予定しているところがあり、とても良い傾向だと思います!

先日「ホロカナイは5種任意接種に全額助成」と書きましたが、インフルエンザワクチン(季節性/新型インフルエンザともに)も中学生以下は全額助成してるので「ホロカナイは6種任意予防接種に全額助成」でした。

なんつって、張り合ってもしょうがないんですけどね(笑)

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2010年2月16日火曜日

ワクチンで予防できる癌

幌加内町では「広報ほろかない」という広報誌を毎月町民に向けて発行しています。
http://www.town.horokanai.hokkaido.jp/

町からのいろんな情報が載っているんですが、「町立病院から」というコーナーでは毎月、いろんな医療情報や町立病院の介護部門の様子などをお伝えしています。

で、今日は今月号の原稿をご紹介します。


「がん」をワクチンで防げるって本当?

子宮頸がんとは

子宮頸(けい)がんとは子宮の入り口(頸部)にできるがんで、日本では年間約8000人がこのがんになり、約2400人が亡くなっています。この子宮頸がんは発がん性「ヒトパピローマウイルス(HPV)」というウイルスに何回も感染することが原因ということがわかっています。

女性の8割は一生のうちで1回以上感染すると言われ、若い女性ほどこの発がん性HPVの感染率が高く、日本人の15〜19歳の約3割が感染していたというデータもあります。もちろん、この発がん性HPVに感染しても必ずがんを発症するわけではなく、感染してもほとんどは自然に治りますが、繰り返し感染する可能性があり、HPV感染者の1%未満に十数年かけてがんが発症すると考えられています。

発がん性HPVにはいくつかの種類があり、このうちHPV16型と18型が子宮頸がんの6割(20〜30代では8割)を占めています。性交開始の若年化により20~30代の子宮頸がんが日本では急増しています。

子宮頸がんのワクチン

このHPV感染を予防する(=子宮頸がんを予防する)ワクチンは世界ではすでに100カ国以上で使用されていましたが、ついに昨年12月より日本でも発売が開始され、町立病院でも接種できます。

このワクチンはHPV16型と18型に対するワクチンでこれらの型が原因の子宮頸がんを90〜100%予防します。
現時点ではすくなくとも6年は効果が持続することが確認されおり、推計では少なくとも20年間は効果が持続するとされています。

ワクチンの対象は10歳以上の女性です。最も効果的なのは性交経験前なので、小児科学会と産婦人科学会は11〜14歳でのワクチン接種を最も勧めています。すでにHPVに感染歴があるひとにも再感染を予防する効果もあるので、15〜45歳が次に勧められています。

ワクチンの副反応としては接種時の痛みがありますが、その他の重い副反応は他のワクチンと同様に低く、安全性も確認されているワクチンです。

前述の学会も公費接種を提言していますが、残念ながら現時点では「任意」接種のため全額自己負担となります(幌加内町では新年度より中学生女子に対して全額助成を計画中)。

接種は計3回必要で、3回で4万円ほどかかります。お金はかかりますが子宮頸がんの6~7割を確実に予防でき、少なくとも20年は効果が持続すると考えると年間2千円ほどの負担という計算になります。

子宮がん検診も大切です

子宮頸がんワクチンは、全ての発がん性HPV感染を予防できるわけではないので、接種後も定期的な子宮がん検診は受けなければなりません。

欧米先進国での子宮がん検診の受診率は7〜8割と高いのですが、日本では2〜3割で特に若い世代では1~2割に満たないようです(幌加内町での昨年度の子宮がん検診の受診率は45%)。
子宮頸がんは進行すると子宮を摘出しなければならないこともあり、早期発見のためには20代からの定期的な検診受診が大切です。

ワクチンと定期的な検診を受けることで子宮頸がんの9割以上は予防できると言われています。

ご不明な点は、町立病院までお問い合わせください。


・・・と、こんな感じで毎月原稿を書いています。
わかりやすく書いたつもりなんですが、いかがでしょうか?

町民の方への健康情報、医療情報の発信も「地域医療」の大事な仕事のひとつと考えちょります!

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