ラベル おたふくかぜワクチン全額助成 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル おたふくかぜワクチン全額助成 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2010年1月15日金曜日

北海道医療新聞の取材を受けました

昨年4月から始めたこのブログも今日で100件目の記事です。
拙い文章につきあっていただいている皆さま、いつも応援ありがとうございます。
あと2ヶ月お付き合いください!

さて、今日のホロカナイは、吹雪でした〜
幌加内町朱鞠内(シュマリナイ)では昨年より1ヶ月早く、今日積雪が2mを越えたそうです。

そんな中、札幌よりお越しいただいた北海道医療新聞社の取材を受けました。

幌加内町で昨年4月から始めているヒブワクチン、水痘ワクチン、おたふくかぜワクチンへの全額助成についての取材です。

ヒブワクチンの全額助成はたまたま幌加内町が全国初でしたが、現在は僕が確認できた限りでも道内の豊浦町、奈良県天川村、鹿児島県伊佐市でも全額助成がおこなわれています。

ただ、これら3つの任意接種全てに対して全額助成を行なっている自治体は全国でもおそらく幌加内だけではないでしょうか。

ワクチン助成のみならず、ホロカナイの医療/介護/福祉の連携や町の予防医療や子育て支援への取り組みなど、1時間あまり暑苦しく(笑)お話してしまいました。

来週か再来週には記事になるそうなので、道内の医療関係のみなさま是非御覧下さい!
幌加内のワクチン助成に関して「特ダネ」があるかも知れません!?


話は全くかわりますが、今日は仕事が早く終わったので久々にチビたちを保育園に迎えに行きました。

保育園には以前、ブログでご紹介した当院の院長が作成したシンケンオーが寄贈されておりました。

写真は、シンケンオーと我が家のチビ子(1歳8ヶ月)です。


ところで、ハイチの地震、大変なことになっていますね。死者は5万人以上との予測もあるようです。治安の問題等もあり救援活動が遅れているとのこと。日本にいる僕たちは募金と祈りを捧げましょう。


人気ブログランキングへ
↑小児用肺炎球菌ワクチンや子宮頚がんワクチンにも興味があるあなたはクリック。

2009年8月19日水曜日

幌加内町のヒブワクチン全額助成

お知らせです。

今月28日(金)~30日(日)にさいたま市大宮で開かれる「日本外来小児科学会」の特別シンポジウムにシンポジストとして私がお話をさせていただきます。

8月30日(日) 午前10:00~12:00 @大宮ソニックシティ

特別シンポジウム
細菌性髄膜炎から子どもたちを守る
―ヒブワクチン定期化と肺炎球菌ワクチン承認へ―

司会:武内 一(耳原総合病院小児科)

シンポジスト
花井 透:千葉保健医協会会長 
「国を動かすため、千葉県下の医療関係者は団結した」

幌太郎:幌加内町国民健康病院
「幌加内町におけるヒブワクチン全額助成について~子どもたちの未来のために~」

檜山 義雄:サノフィパスツール第一三共ワクチン
「ヒブワクチン発売における問題点と今後の課題」

狩野 宗英:(株)ワイス
「7価肺炎球菌ワクチンの市中感染における意義と承認の見通し」

(以下、抄録より)
細菌性髄膜炎の約90%は、インフルエンザ菌b型(Hib)と肺炎球菌が起因菌となっている。Hibワクチンは1990年頃から、7価肺炎球菌ワクチンは2000年頃から、先進国だけでなく世界中で定期化が進み、ほとんどの国でHib重症感染症はなくなり、肺炎球菌重症感染症も激減している。わが国では、年間1000人以上の乳幼児がこれらによる髄膜炎に罹患し、数十人が亡くなっていると推定されている。子育て家族そして私たち医療従事者にとって、この現実は一刻も早く解消しなくてはならない最重要課題だ。
このシンポジウムでは「Hibワクチンの定期接種化までに家族の金銭的負担を軽減する自治体の動きは?」「国を動かして定期接種にする手だては?」「肺炎球菌ワクチンの意義は?」に迫りたい。細菌性髄膜炎を考える必要がほとんどなくなる日は、もうそこまで来ている。参加していただいたみなさんが、このことに確信をもっていただき、明日の診療に看護にあたっていってもらえる、そのことがこのシンポの最大の狙いである。(引用 終わり)

ヒブワクチンに対して公費助成をしている自治体は、現時点で確認できたのはわずかに21市町村です。
そのうち全額助成しているのは、幌加内町と鹿児島の伊佐市だけです。
http://zuimakuen.net/a1-4.html

シンポジウムでは、ホロカナイではなぜスムーズに全額助成化が実現できたのかをお話させていただく予定です。
ちなみに、幌加内町では水痘とおたふくかぜワクチンの全額助成もしています。

関東近郊にお住まいの方は、是非いらしてください!学生さんは参加費無料です。
 
あ、30日は選挙投票日なので、きちんと期日前投票してから上京します!
当日会場にいらっしゃる方は、シンポジウム終了後か期日前に投票しましょー

こちらもみてください
http://www.town.horokanai.hokkaido.jp/hosp/gaiyoutop/shinryoutop/shinryou09.html

人気ブログランキングへ ←ヒブワクチンの定期接種化を願う方はクリックを

2009年6月21日日曜日

北海道国保地域医療学会で発表

20日土曜日は札幌で開催された第14回北海道国保地域医療学会に参加した。

町立病院の事務長と副師長も一緒。

午前中は宮城県涌谷(わくや)町町民医療福祉センター・センター長の青沼孝徳先生の講演。「地域包括医療・ケアを継続して展開するために」というテーマ。いかにセンターが町民に貢献しているかをデータとしてきちんと示されていて、説得力があった。いま国がすすめている公立病院改革ガイドラインは、経済面だけを全面に出し本来の自治体病院の役割・必要性をないがしろにしていることや、行政と病院のコミュニケーション・連携が大切であること、医師の確保が最も大切で困難であることなど、とても共感できた。

午後からは10人が研究発表。僕は9番目だった。

中頓別町国保病院の住友先生の「森林環境の血圧への影響」など面白かった。住友先生は平成17年から森林ウォーキングによる住民の健康づくり(森林療法)をされていて、実際に森林ウォーキングをすると血圧が下がり、これは副交感神経が賦活化されることとストレス軽減作用によるものだろうとのこと。森林療法ドックもされていて、興味深い。実に面白い。

詳しくはこちらを

http://www.town.nakatombetsu.hokkaido.jp/nakatombetsu.nsf/image/01bdbbe608bf20cf492572610022c2f6/$FILE/森林療法ドッグ.pdf

で、僕は「幌加内町の予防医療について〜予防接種を中心に〜」とうテーマで発表した。まあ、発表というより単なる報告でアカデミックではないんだけど、みなさんに知っていただくて演題を出しました。

こんな感じです。

幌加内町は人口1800人弱の農業(蕎麦)を主産業とする町で、高齢化率36.8%と高齢化も進んでいる。町では、住民のみなさんが最後まで安心して暮らせる町づくりを目指し、保健・福祉・医療部門が連携を行なっている。

近年は予防医療にも力を入れており、特に以下のように各種の任意予防接種に対して助成を行うことにより接種率の増加をはかり住民の健康増進をすすめている。また小児の予防接種助成は、少子化対策・子育て支援の一環でもある。

予防接種を中心に、幌加内町における予防医療について述べたい。

助成を行なっている予防接種

肺炎球菌ワクチン 対象:70歳以上 助成額:6000円 

インフルエンザワクチン 対象:中学3年生以下 助成額:全額 

髄膜炎ワクチン(ヒブワクチン)対象:生後2ヶ月〜5歳未満 助成額:全額

ムンプス(おたふくかぜ)ワクチン 対象:16歳 助成額:全額

水痘(みずぼうそう)ワクチン  対象:16歳 助成額:全額

結構緊張してしまったのと、発表時間が7分しかなかったので、言いたかったことのいくつは飛んでしまった。

肺炎球菌ワクチンの高齢者の接種率は全国平均が5%で、ホロカナイではおよそ26%(ちなみに米国は高齢者に保険適応があり、接種率は70%)。中学生以下のインフルエンザワクチン接種率は全国が42%でホロカナイは57%。

ワクチンによって防げる病気は防ぎたいと思っている。米国では今から20年以上前にヒブワクチンは定期接種化されていて、ヒブ(インフルエンザ菌b型)による全身感染症は定期接種前の1100に減少している。こんな事実がわかっているのに、なかなか日本ではヒブワクチンの認可がおりず、その間にヒブによる髄膜炎で子どもを亡くした親御さんはどんなに悔しい思いをされたことだろう。

ヒブワクチンを全額助成している自治体はいまのところ幌加内だけで(7月から鹿児島の伊佐市も全額助成開始)、水痘、おたふくかぜワクチンの全額助成しているところもたぶんないと思う。

任意接種だとやはり家庭への負担になるので、なかなか接種率が上がらない。実際ホロカナイでも水痘やおたふくかぜワクチンの接種者は年に04人だったのが、全額助成を開始した4月からの3ヶ月で、それぞれ7人、10人とすでに以前の年間接種者数の倍以上になっている。

ホロカナイの子どもたちはラッキーだけど、ほんとは定期接種化して日本全国の子どもたちを守るべきだと思う。

こちらも見てください〜

http://www.town.horokanai.hokkaido.jp/hosp/gaiyoutop/shinryoutop/shinryou09.html

http://www.town.horokanai.hokkaido.jp/hosp/gaiyoutop/shinryoutop/synryou07.html

その後は「地域医療再構築に向けてガイドラインを考える」というテーマでシンポジウムがあった。

いろいろ議論はされたけど、目先のことに囚われて、いかに地域住民の意識を高めるかとか地域を担う医師をいかに教育し育てるかなど、長期的な視点での議論まで深まらなかったのが残念だった。青沼先生が最初に指摘されていたとおり、ガイドライン自体の性格のためもありますが。

その後、懇親会があり、中頓別の住友先生はじめ各地域の先生や道の保健医療局長さんともお話できて楽しかった。青沼先生が熱く握手をしてくださったのが嬉しかったです