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2009年11月18日水曜日

愛と感動のSWING&INPUTホロカナイツアー

幌加内町立病院の医師は、12年前の平成9年から佐賀大学(当時は佐賀医大)病院・総合診療部より派遣されています。それぞれの医師は23年ずつ勤務していて、僕で9人目、いまの院長(僕より4学年先輩)は10人目の佐賀からの派遣になります。

なぜ九州の佐賀から北海道へ?と思われるかも知れませんが、当時医師不足に陥った幌加内町の役場の方々がいろいろ情報を集められ、地域医療を任せるにはどうやら佐賀の総合診療部がいいらしい、ということで佐賀まで医師派遣を依頼に来られたのが始まりです。

僕が所属している佐賀の総合診療部の医局は、一般的な「白い巨塔」のイメージとは程遠く、教授が医局員の自由・希望を尊重してくれるので、いままで幌加内に来た医者はみな自分の希望で赴任しています。て、ことはもし幌加内での経験が酷いものであれば、誰も来なくなったわけで、今日まで12年間医師派遣が続いていることはホロカナイでの経験が医師としても人としてもとてもプラスになっているからなんです。また幌加内の町民のみなさんが佐賀から来た僕たちをとても暖かく受け入れてきてくださったからこそ、なのです。

で、前置きが長くなりましたが、先週末は佐賀からの派遣医師の初代と二代目の先生がホロカナイに講演に来てくれました(この週末は、札幌医大の地域医療総合医学講座のN先生に当直に来ていただいていたのでとても助かりました)。

13日金曜日は、町立病院で職員を対象に「医療安全研修」の一つとして主に「医療事故、医療訴訟」についてお話しをしてもらいました。

14日土曜日は、町の成人大学講座として町民の方を対象に「幌加内町と佐賀大学病院総合診療部との関わり~これからの地域医療を考える~」というテーマで講演をしてもらいました。

「総合診療」というのは一般の方には、あまり馴染みのない言葉と思うのですが、とってもわかりやすくいうと「それぞれの病気や内臓だけを診るのではなく、困っている患者さんをまるごと診る」というものです。もちろん、いわゆる「専門医」の診察や治療が必要なときはすぐに紹介しますが、よくある病気については診断から治療まで行います。例えば「高血圧、白内障、膝痛」がある方が都会に住んでいる場合は、それぞれ「内科」「眼科」「整形外科」の病院やそれぞれの外来に別々に通わなければなりませんが、ホロカナイでは全てを同時に診るので、患者さんの負担はだいぶ減ります(ホロカナイから街の病院までは往復で2時間以上かかります)。都会の高齢者よりも、ホロカナイの高齢者の方が通う病院も一つで済み、福祉や介護も手厚くよっぽど幸せなんじゃないかと思います。

昔は、各専門科出身の医師が開業してから「なんでも」診ていたわけですが、そうではなく最初から「なんでも診る」医者を教育しようというところが、大学の総合診療部なわけです。大学以外にもそのような教育を行っている病院もありますが、医学生が総合診療を知るきっかけが一番多いのは大学なので、やはり大学に総合診療部は必要です。

が、全国的に大学の総合診療部は減ってきています…

手前味噌になりますが、患者さんの負担を考えるとまずは「総合診療医(プライマリケア医、家庭医などの呼び方もあります)」にかかることが、時間的にも経済的にも効率がいいハズです。専門医にとっても専門診療に集中できる時間が増えるのでいいハズです。でも世間一般的には「大病院」「専門医」志向がいまだに強いので歯がゆい思いですが。

で、講演のあとは第2部として、2人の先生が所属している佐賀のバンド「SWING」のコンサートがありました!

SWINGはもうすぐ結成30年のベテランバンドでビートルズやイーグルスの曲を中心に、定期的に佐賀のバーなどでも演奏していて、NHK-BSのバンド自慢コンテストの決勝にも出場経験のある実力派バンドです。もともとドラマーの初代Y先生とチェリストの2代目C先生も数年前から加入して活動されています。先生たちが働いている佐賀記念病院でも患者さんのためにコンサートが開かれています。僕が佐賀にいるときからバンドの皆さんとも仲良くさせてもらっていて、いつかホロカナイの皆さんにもSWINGの演奏を聞いてもらうことが赴任したときからの夢でした。

今回、町の教育委員会の皆さんのご協力によりSWINGコンサートがついに実現しました(ドラムはわがバンダーズのリーダーにお借りしました)。

そして、SWINGがもともとお世話になっている佐賀県武雄市の音響会社のINPUTさんも、なんと!佐賀から機材・楽器を積み、車で4日間かけホロカナイに来られました!片道2500km以上のロングジャーニーです。

教育委員長と委員会のYさんがホールの照明はじめいろいろな段取りをしてくだり、INPUTさんの音響とSWINGの演奏により1時間以上におよぶ素晴しいコンサートになりました。

アンコールでは、おまけとして僕もSWING1曲ジョイントさせてもらいました。曲はおなじみのイマジンです(これしか弾けませんから~)。僕にとっても憧れのSWINGと演奏できるなんて夢のようでした。

ラストはヘイ・ジュードを観客の皆さんと合唱して終了しました。♪Na Na Na Na Na Na Na

当日は雨(嵐?)にも関わらず120名以上のお客さんが来られ、懐かしい先生たちとSWINGの演奏に「元気がでました!感動しました~」と町民のみなさんからの声を沢山いただきました。

金曜夜は町長や前町長はじめ役場職員による歓迎会があり、土曜夜はキーさん宅で打ちあげをしていただき、幌加内の皆さんの暖かさ、愛にSWINGINPUTの皆さんも感激されていました。佐賀からの代々の医者とその家族もそうですが、幌加内の皆さんの暖かいお気持ちによって僕たちは支えてもらっています。

佐賀から来ていただいた先輩、SWINGINPUTの皆さんにも本当に感謝しています!

人と人のご縁、暖かさを改めて実感した週末でした。


そして本日18日水曜日の午前1時過ぎ、15日日曜日の朝にホロカナイを出発されたINPUTのお二人が佐賀の武雄に無事に到着されました!

感動のホロカナイツアーのファイナルです!往復5000km以上におよぶ日本列島縦断の運転をして、ホロカナイ町民に最高の音を届けていただいて本当にありがとうございました!!


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SWINGの演奏が聴きたくなっちゃったあなたはクリック。そしてこちらをチェック。

http://blogs.yahoo.co.jp/swingbass175

http://yamamitsu.studioinput.com/?day=20091118


2009年7月12日日曜日

サマーキャンプin幌加内

この週末は、札幌医大の「地域枠」で入学した12年生を中心とした地域医療に興味のある学生さんたちが、地域医療の現場を学ぶサマーキャンプで幌加内に来られました。

地域枠っていうのは、医師不足対策として国が医学部の増員を認めたもので地元出身者を対象に奨学金制度などと共に卒業後一定期間は医師としてその地方で働く義務があるっちゅう制度です。

もともと自治医大がそういうシステムで、それによって離島や僻地の医師が確保されている(いた)という歴史があります。

道内でも札幌医大と旭川医大で昨年度から始まっているようです。

実際、地域枠で入学した学生が地域に出て働けるようになるまでは、最短でも8年はかかります。そして彼らが地域で働けるようになるためには、それなりのトレーニング、研修が必要です。さらに働きだしてから彼らをバックアップし、義務年限後もきちんと医者として働ける道筋をつけてあげなくてはいけません。

たぶん、どこの県も今から模索していくんだと思います。自治医大の卒業生と自治体とのネットワークがしっかりしている県や、佐賀大病院の総合診療部のように(宣伝です笑)若い医師が様々な地域、規模の病院・診療所で働きながら成長できるようなシステムがあればいいのですが、なければ早くシステムを創らなければ間に合いません。

もちろん北海道にも、とても良い学生、研修医教育をされている施設はたくさんあるんですが、それらの施設が有機的につながらないともったいないと感じています。

で、今回のサマーキャンプでは、札幌医大の地域医療総合医学講座が企画され12年生が計19名参加し、土曜の昼から日曜の昼まで一泊二日でホロカナイで行なわれました。

昼に幌加内に到着した学生さんたちは、町内を散策、観察して幌加内の特徴的なものや風景をデジカメに撮り、それに後でコメントをつけて発表するフォトボイスというフィールドワークを行いました。

午後からは幌加内町立病院の院長と僕がそれぞれスライドを見てもらいながら、お話をさせてもらいました。院長は地域医療や僻地医療についての大枠的な話から、自分の幌加内にいたるまでの経歴、離島医療の経験、や幌加内での生活の話。僕も経歴(研修歴、職歴)や幌加内で行なっている予防医療などを具体的に紹介しました。

都会の大病院にいては絶対にできない、行政と連携することによって自分たちが理想とする予防医療や医療が展開できる楽しさや介護・福祉部門との連携によって自分たちにとっても勉強になることが多いんだ!ということを伝えたかったんですが、伝わったかなあ。

その後、町内の施設見学をしてもらいました。ケアハウスや福祉寮では実際にお部屋も見せていただきました。学生さん達はホロカナイの福祉施設の設備の良さと福祉と医療の連携に感動してくれました(これホント)。

そして学生さんたちには町内のルオント温泉で汗を流してもらい、

夜はホロカナイの住民を招いての交流会(あじよし食堂で焼肉)です。

住民代表として町長、議会の副議長(兼そばうたん会会長)、役場職員、保健師さんたち、看護師長、主婦たち(?)に参加してもらいました。学生さんたちにとっても住民と直接お話をして生の声が聞けたのは刺激になったようです。僕の奥さんも医者で子どももいるので、特に女子学生にとっては自分たちの近い将来の参考になったんじゃないかな。

日曜日は、1年前までホロカナイに勤務されていて今は京都大学大学院で疫学の勉強をしているF先生のお話から始まりました。地域で医療をしていても臨床研究は可能だし、地域での経験を経てこそ良い臨床研究にもつながるんだよ、というお話でした。

その後、前日のフォトボイスのまとめ。4グループごとにホロカナの1シーンを切り取った写真とコメントを発表します。みんな新鮮な視点で語ってくれていて、普段なにげなく見ている風景も切り取られてみると発見が多いことを教えてもらいました。

そのうちの一つには「みち」というタイトルがつけられた町内の一本道の道路の写真で、「道」とホロカナイという彼らにとって「未知」であるという意味が込められていました。

そして、それは学生さんたちがこれから進む「道のり」も示しているんじゃないかなあと思いました。一本道ではなく、ロングロングワインディングロードかも知れないけどね。でも道はどこかには通じるから、一歩一歩進めばいいんだぜ。なんつって。

最後には、もちろんホロカナイに来たからにはアレです。そうです、蕎麦打ち体験です。

町内の「そば打ち道場」で病院事務長はじめ地元の指導員の方達の熱い指導のもと、二人一組で蕎麦を打ってもらいました。打ち立ての蕎麦は、その場で茹でられみんなでいただきました。美味しかったです!今日の蕎麦粉は指導員で蕎麦農家のSさん特製の雪蔵蕎麦(文字通り雪の中で保存され熟成され甘みが増した蕎麦)だったのもありますが、学生さんたちの情熱が蕎麦にも伝わったのでしょう。

そして若者たちは札幌へ帰っていきました。

学生時代にしかできないことも一生懸命にして、そして医者になってからもそれぞれの場所で楽しく、頑張ってください!

来春で僕は佐賀に帰るけど、北海道には君たちがいるから安心です!

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2009年6月21日日曜日

北海道国保地域医療学会で発表

20日土曜日は札幌で開催された第14回北海道国保地域医療学会に参加した。

町立病院の事務長と副師長も一緒。

午前中は宮城県涌谷(わくや)町町民医療福祉センター・センター長の青沼孝徳先生の講演。「地域包括医療・ケアを継続して展開するために」というテーマ。いかにセンターが町民に貢献しているかをデータとしてきちんと示されていて、説得力があった。いま国がすすめている公立病院改革ガイドラインは、経済面だけを全面に出し本来の自治体病院の役割・必要性をないがしろにしていることや、行政と病院のコミュニケーション・連携が大切であること、医師の確保が最も大切で困難であることなど、とても共感できた。

午後からは10人が研究発表。僕は9番目だった。

中頓別町国保病院の住友先生の「森林環境の血圧への影響」など面白かった。住友先生は平成17年から森林ウォーキングによる住民の健康づくり(森林療法)をされていて、実際に森林ウォーキングをすると血圧が下がり、これは副交感神経が賦活化されることとストレス軽減作用によるものだろうとのこと。森林療法ドックもされていて、興味深い。実に面白い。

詳しくはこちらを

http://www.town.nakatombetsu.hokkaido.jp/nakatombetsu.nsf/image/01bdbbe608bf20cf492572610022c2f6/$FILE/森林療法ドッグ.pdf

で、僕は「幌加内町の予防医療について〜予防接種を中心に〜」とうテーマで発表した。まあ、発表というより単なる報告でアカデミックではないんだけど、みなさんに知っていただくて演題を出しました。

こんな感じです。

幌加内町は人口1800人弱の農業(蕎麦)を主産業とする町で、高齢化率36.8%と高齢化も進んでいる。町では、住民のみなさんが最後まで安心して暮らせる町づくりを目指し、保健・福祉・医療部門が連携を行なっている。

近年は予防医療にも力を入れており、特に以下のように各種の任意予防接種に対して助成を行うことにより接種率の増加をはかり住民の健康増進をすすめている。また小児の予防接種助成は、少子化対策・子育て支援の一環でもある。

予防接種を中心に、幌加内町における予防医療について述べたい。

助成を行なっている予防接種

肺炎球菌ワクチン 対象:70歳以上 助成額:6000円 

インフルエンザワクチン 対象:中学3年生以下 助成額:全額 

髄膜炎ワクチン(ヒブワクチン)対象:生後2ヶ月〜5歳未満 助成額:全額

ムンプス(おたふくかぜ)ワクチン 対象:16歳 助成額:全額

水痘(みずぼうそう)ワクチン  対象:16歳 助成額:全額

結構緊張してしまったのと、発表時間が7分しかなかったので、言いたかったことのいくつは飛んでしまった。

肺炎球菌ワクチンの高齢者の接種率は全国平均が5%で、ホロカナイではおよそ26%(ちなみに米国は高齢者に保険適応があり、接種率は70%)。中学生以下のインフルエンザワクチン接種率は全国が42%でホロカナイは57%。

ワクチンによって防げる病気は防ぎたいと思っている。米国では今から20年以上前にヒブワクチンは定期接種化されていて、ヒブ(インフルエンザ菌b型)による全身感染症は定期接種前の1100に減少している。こんな事実がわかっているのに、なかなか日本ではヒブワクチンの認可がおりず、その間にヒブによる髄膜炎で子どもを亡くした親御さんはどんなに悔しい思いをされたことだろう。

ヒブワクチンを全額助成している自治体はいまのところ幌加内だけで(7月から鹿児島の伊佐市も全額助成開始)、水痘、おたふくかぜワクチンの全額助成しているところもたぶんないと思う。

任意接種だとやはり家庭への負担になるので、なかなか接種率が上がらない。実際ホロカナイでも水痘やおたふくかぜワクチンの接種者は年に04人だったのが、全額助成を開始した4月からの3ヶ月で、それぞれ7人、10人とすでに以前の年間接種者数の倍以上になっている。

ホロカナイの子どもたちはラッキーだけど、ほんとは定期接種化して日本全国の子どもたちを守るべきだと思う。

こちらも見てください〜

http://www.town.horokanai.hokkaido.jp/hosp/gaiyoutop/shinryoutop/shinryou09.html

http://www.town.horokanai.hokkaido.jp/hosp/gaiyoutop/shinryoutop/synryou07.html

その後は「地域医療再構築に向けてガイドラインを考える」というテーマでシンポジウムがあった。

いろいろ議論はされたけど、目先のことに囚われて、いかに地域住民の意識を高めるかとか地域を担う医師をいかに教育し育てるかなど、長期的な視点での議論まで深まらなかったのが残念だった。青沼先生が最初に指摘されていたとおり、ガイドライン自体の性格のためもありますが。

その後、懇親会があり、中頓別の住友先生はじめ各地域の先生や道の保健医療局長さんともお話できて楽しかった。青沼先生が熱く握手をしてくださったのが嬉しかったです

2009年6月9日火曜日

蕎麦打ち体験で愛を深める

幌加内町国保病院での実習や研修では、「蕎麦打ち体験」を必修科目にしています。


これは半分冗談で、半分本気です。

と、いうのは、地域医療とは文字通り「地域」での医療なので、地域ごとの産業や環境が住民の健康やかかえる問題と大きく関わるため、それを理解しなければなりません。

幌加内は日本一の蕎麦生産高を誇っていて、蕎麦が町で一番の産業です。

なので、ホロカナイを知ってもらうためには蕎麦のことを知ってもらう必要があるのです。

僕たち、佐賀から来ている医者も代々、幌加内で蕎麦を打てるようになってから九州に帰ることが義務付けられています(笑)

僕が所属している「幌加内そばうたん会」は月に2回の例会があり、18時頃から蕎麦打ちをして、その後、皆で宴会となります。

なので、実習期間が2週間の学生さんは1回、研修期間が4週間の研修医は2回は蕎麦打ちをしてもらいます。

学生さんに「なんで幌加内での実習を選んだの?」と質問すると結構な割合で「蕎麦打ちができるからです!」と満面の笑顔で答えられ、「‥‥じ、実習内容はどーなのよ?」と若干思わなくもないですが、とにかく蕎麦打ち体験は評判です。

そばうたん会には町内の方はもちろん、旭川など町外からの会員の方もたくさん来られています。

学生さんたちには700gの蕎麦(二八蕎麦)を打ってもらいます。

蕎麦打ちにもそれぞれ個性が出ますが、みんな真剣です。

打った蕎麦は、翌日にチルドパックで実家に送る学生さんや研修医が多いです。

ホロカナイで実習/研修すると親孝行もできますよ〜


蕎麦打ちが終わると宴会です。もちろん打ち立ての蕎麦も頂きます。

うたん会の会員には蕎麦農家の方から、役場職員、議会議員、獣医さん、農協職員、理学療法士、営林署職員などなど色んな職種の方がおられるので、飲みながら色々なお話を聞けます。

いつも学生さんたちの蕎麦打ちを指導していただける会員の方々に感謝しています。

学生さんたちとも楽しくお話をしていただけるので、彼らもホロカナイの住民と直接交流することができて、さらにホロカナイに対する理解、愛が深まるのです(笑)


先週まで実習してくれていたイガラシくんは「幌加内で実習して地域医療に対しての考えが変わりました。幌加内が好きになりました。また来たいです!」と言ってくれました。

こんなホロカナイで一緒に働きませんか?

蕎麦も打てるようになりますよ〜

(蕎麦打ち名人の病院事務長から直接指導させていただきます!)

詳しくはこちらを

http://www.town.horokanai.hokkaido.jp/hosp/stafftop/staff.html

http://www.town.horokanai.hokkaido.jp/hosp/jissyutop/jissyu.html

2009年5月23日土曜日

ジン、ジン、ジンギスカーンッ

昨夜は役場親交会の総会があった。
役場のガレージにブルーシートを敷いて、カセットコンロでジンスカン!

参加は自由だけど、沢山の役場職員の皆さん(って僕もそうですが)が40~50人くらい参加されていて、ジンギスカンとビールで乾杯。5~6人ずつでカセットコンロを囲む。

ジンギスカンは九州では、めったに食べないけど、やはり北海道で食べると旨い。
町内で摂れた行者にんにく(アイヌねぎ)も肉と一緒に焼く。にんにくと一緒で翌日が仕事だと食べられないけど、昨日はバリバリ喰って、グビグビ飲んだ。

最初は町長の隣に座らせてもらって、イチゴの栽培の仕方から、町内の住宅事情、釣りの話、山菜の話、地デジの話など多岐に渡ってお話を聞いた。

大学病院時代は当然ながら僕のようなペーペーが行政の方と接する機会はなかったけど、ホロカナイでは行政の方と接する機会が多くて、いろいろな話が聞けて勉強になる。

逆に僕ら医者からの提案を町の医療行政に反映してもらえることも多く、とってもやりがいがある。

こういう楽しさは、大学にいる医学生や若い医者には伝わっていないんだろうなあ。

若者たちよ!若いうちに1回は、地域医療をするべき!
絶対、今後の医者人生の糧になるぞ!

地域に来てください的な、僻地・地域が頭を下げるようないまの流れは、おもしろくない。
もちろん、地域住民・行政に医療・福祉を自分たちでちゃんとしようとゆう気持ちがない土地には全く魅力はないけれど。

若者よ、自分のためになるから自らすすんで地域に来なさい!



…少々、熱くなってしまいました。

で、二次会は、あじよし食堂のホール。

同い年の方と音楽の話などで盛り上がる。夏はライジングサンに行きたいものです。

普段は病院や介護・福祉関係以外の部署の方とは接する機会が少ないので、今まであまり話したことがない方たちとも飲めて楽しかった。

九州なら飲みの〆は当然とんこつラーメンだけど、ホロカナイではもちろん味噌ラーメン!
美味しかったです。ごちそうさまでした!


こんな楽しいホロカナイで一緒に働きませんか?(とりあえず1,2年でもどーですか?)

詳しくはこちらを
http://www.town.horokanai.hokkaido.jp/hosp/stafftop/staff.html
http://www.town.horokanai.hokkaido.jp/hosp/jissyutop/jissyu.html

2009年5月11日月曜日

春爛漫

昨日のNHKの忌野清志郎の追悼番組見ましたか?

やっぱり清志郎はサイコーにかっこいい!

「夢をあきらめない」「夢に向かって努力することが楽しんだ」って言葉が印象的でした。



さて、週末の土曜日は当直、日曜は休みでした。

土曜日は、慢性心不全の増悪で90歳代の方が入院されました。

当院は人手が足りないため、いわゆる急性期の病気に対応する「一般病床」は休床にしています。

症状の安定した慢性期に対応する療養病床が42床あって、より医療の必要とする「医療療養病床」が13床、介護が主体となる「介護療養病床」が29床あります。

療養病床は、1日の入院料金があらかじめ決まっています。これは全国どこの病院でも同じ料金です(特別な病室や各種サービスは別です)。

本来、療養病床では急性期の治療は行ないません。1日の料金があらかじめ設定されているので治療を行えば行うほど病院は損をすることにもなりますし、もともとの役割分担ができているからです。

しかし、ホロカナイでは病院は当院しかなく、近隣(深川市や旭川市)の病院までは車で1時間(信号がほとんどないので普通の自動車も救急車もほとんど時間はかわりません)かかるため、患者さんやご家族の負担が大きいため、点滴と酸素投与など簡単な治療で治せる病気は当院で対応しています。

程度の重くない肺炎や心不全、転倒して腰痛や足の痛みなどのため動けなくなり、自宅では家族がみれない場合などです。

当院では時間外の診療は、当直の医師が全て担当することにしています。なのでonとoffがはっきりしています。

僕が研修医のころは、主治医制といって休みでも夜中でもまず主治医が呼ばれていました。点滴もれで深夜に呼ばれることも多々ありました。

最近は、これではみんな疲弊してしまうということで、複数の医師で患者さんを担当するチーム制をとる病院が増えていると思います。

夕張の村上先生がよく言われるように、「徹夜明けのパイロットが次の日に飛行機を操縦することはない」のに医者では当直明けでも翌日普通に仕事があります。

※幸いホロカナイでは、コンビニ受診はほとんどなく(人口が少ないのもありますが)睡眠がしっかりとれるのでクリアな頭で診療にあたることができます!

よくマスコミが救急患者の搬送に際して「たらい回し」という言葉を使いますが、これには非常に悪意を感じます。こうした言葉は、一般のひとたちに誤解させ医師と患者の信頼関係にも影響します。

救急や小児科・産科の医者たちは、だれも好んで受け入れを断っているわけではありません。受け入れたくても、満床や人手不足で受け入れられないんです。

これは施設の規模的な問題や、そもそもの医師不足もあるかもしれませんが、もう一つの大きな問題は本来かかりつけ医がみるべき病気でも「大病院志向」や「コンビニ受診」で専門医の外来に患者さんが殺到していることだと思います。

専門医の医者がしっかりと専門的な治療に専念できるためにも、いわゆる普通の病気は普段から地域のかかりつけ医(プライマリケア医)にかかってほしいと思います。

これも村上先生の言葉ですが、専門医は「戦う医療」、地域の医者は「支える医療」を行うべきだと僕も思っています!


・・・少々熱くなってしまいました。

日曜日は、家族と友達カップルと一緒に旭川の東川にある「北の住まい設計社」のカフェに昼ごはんを食べに行きました。カルボナーラと冷製ポテトスープ、美味しかったなあ。
焼きたてのパンやワイン、チーズも買って帰りました。

東川もほどよく田舎でとても気持ちいいところ。

本州ではとっくに桜が散ってしまったと思いますが、東川では桜(山桜かな?)が満開でした。
白樺の葉も萌えだしています。

長い冬のあとの北海道の春は格別です。

・・・そんな北海道のホロカナイで一緒に働きませんか(1、2年だけでもどーですか)?

2009年4月21日火曜日

ホロカナイってこんなところ


おお!フィンランドみたいや!

これが僕が初めて幌加内に来たときの感想です。

北海道の札幌から北東に車で2時間半、旭川から北に車で1時間弱に位置し、南北63kmにおよぶ大きな町で山に囲まれた盆地です。

道外の方にはピンとこないと思うのですが、北海道はそれぞれ14の支庁からなりたっていて幌加内は「空知(そらち)支庁」の最北に位置します。
14支庁はこちらを → http://wisperofan.exblog.jp/

この冬は比較的暖かかったんですが、それでも-20℃になる日もありました。夏はごく数日ですが30℃にもなることがあるので寒暖差50℃です!

11月には雪が降り始め12月から根雪になり、4月頃まで雪が残るので、1年の半分は雪があるわけです。平地でも積雪が2mということも珍しくありません。

僕はおととしの6月に九州の佐賀県から幌加内に赴任して、それまで雪国で暮らしたことがなかったので、幌加内に来る前はそうとうビビッていました。
が、ひと冬過ごしてみると雪が楽しくて春になり雪がなくなってしまうとなんだか少し寂しい気持ちになりました。

町の主な産業は蕎麦で、作付面積・生産量ともに日本一を誇ります。夏には見渡す限り真っ白な蕎麦の花が広がりきれいです。


町としても当然「蕎麦」に力を入れていて町内には美味しい蕎麦屋さんが沢山あり、週末は町外からも食べに来られます。
町民の1/3は蕎麦が打てるという噂もあり、僕も町内の蕎麦打ちサークル「幌加内そばうたん会」に入れてもらっています。蕎麦打ちは修行中なのですが、これについてはまた後日。

町の北部には朱鞠内(しゅまりない)湖という人造湖では日本一の湖があり、冬はワカサギ釣りで賑わいます。釣りたての天麩羅はサイコーです!
朱鞠内湖についてはこちらを → http://www1.odn.ne.jp/syumari/

あと、非公式ながら昭和53年に町北部の母子里(もしり)で記録した気温-41.2℃も日本一の最低気温です。毎年2月にはこの激寒を体験する「天使の囁きを聞く集い」というイベントもあります。
幌太郎一家は今年初めてイベントに参加したのですが、雪ランタンが幻想的でした。
イベント参加者は町外からのリピーターが多く、町内からももっと参加があってもいいのになーと思いました。
その集いはこちらを → http://wisperofan.exblog.jp/

町の人口は少しずつ減っていて今は1800人弱です。
で、人口密度の低さは2.41人/km2と町として日本一です!これは役場HPにはのっていなので秘密なのかもしれません…

公共交通機関は、深川から幌加内町を通り名寄(なよろ)まで通っていたJR(深名線)が平成7年に廃止され、現在の公共交通手段はバスのみです。

医療施設は、幌加内町国民健康保険病院が町唯一の病院で町南部にあり、北部地区には合わせて4つの診療所と出張所があります。北部診療は週2日のみ行っています。


と、ざっと幌加内の概要です。

さて、こんなホロカナイでどんな医療がおこなわれているのか?

続きはまたぼちぼちと…


スロウライフが楽しめる幌加内では介護・看護スタッフを募集しています。
詳しくはこちらを → http://www.town.horokanai.hokkaido.jp/hosp/stafftop/staff.html