2009年6月30日火曜日

中頓別に行ってきました

今日(6/29)は午後から中頓別(ナカトンベツ)に出張。

先日の北海道国保地域医療学会でお会いした、森林療法で有名な中頓別町国保病院の住友和弘先生が院内の地域包括ケアの勉強会に誘ってくださったので飛んでいきましたー

丁度、月曜日は午後の外来がないので回診を済ませ、車で2時間半、一路中頓別へ(BGMはくるりの魂のゆくえ)。
美深、音威子府を抜けて中頓別へ。思ったより近かった。

勉強会の講師は、国立社会保障・人口問題研究所の泉田信行室長と高知大学医学部家庭医療学講座の阿波谷敏英教授。

病院の待合室を会場にして、病院職員の方々、町議員、役場職員、消防関係者など沢山の方が勉強会に参加されていた。とくに病院職員の方々の多さに意識の高さを感じた。

泉田さんは「中頓別町民の医療費・介護費の使い方ー国保・介護レセプトデータ分析からー」というテーマ。平成19年度の中頓別町の国保レセプトの個票データの分析をされていて、集計データだけでは見えてこない、年代別の動向がわかって面白かった。そして病院と行政(保健福祉課)がタッグを組むことで住民の健康情報を共有し、住民に還元する重要性に改めて納得した。ホロカナイでもしっかりデータ分析せねば。

阿波谷先生は「地域医療と自治体病院」というテーマ。阿波谷先生がかつて勤務された自治体病院での経験を交えながら、自治体病院を取り巻く状況、その役割、地域医療についてわかりやすく、そして面白く教えていただいた。先日の北海道国保地域医療学会でも感じたけど、ともすると病院の「赤字」にのみ注目されてしまっている問題を指摘され、自治体病院の本来の役割についてお話された。「ウルトラマン」型地域医療と「アンパンマン」型地域医療の例えも面白かった。これについては、きっと阿波谷先生がブログなどにも書かれていると思うので検索してください!

その後の食事会にも呼んでいただき、いろいろ楽しいお話を伺った。
車だったので、一緒にビールを飲めなかったのが残念でした!!

で、22時に途中で失礼してホロカナイに無事到着。

勉強会、食事会でここでは書ききれない、いろんなアイデアをいただきました。
住友先生、お誘いいただき本当にありがとうございました!


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2009年6月27日土曜日

焼肉で送別会

昨日で北海道大学病院初期研修医T先生のホロカナイでの4週間の地域医療研修が終わりました。

T先生の奥さんやチビちゃん(4歳)も途中からホロカナイに滞在されて、札幌にはない、のんびりした時間を過ごされたようです。

ここ数日、ホロカナイも急に暑くなって最高気温は27~8℃いってるのではと思います。


で、水曜日にT先生の送別会も兼ねて、病院敷地内のガレージで炭火で焼肉をおこないました!
(キーさん、いろいろと準備をありがとうございました)

ところで、北海道で「焼肉」といえば、ジンギスカンも含まれます。

本州や九州では、焼肉はいわゆる普通の牛肉の焼肉のことを意味して、ジンギスカンは「ジンギスカン」として焼肉とは違うジャンルの食べ物という認識だと思うんですが、考えてみればジンギスカンも肉を焼いてますもんね。

そして、これはホロカナイのローカルワードなのか北海道全体でも言うのかわかりませんが、野外で行うバーベキューのことも「焼肉」と呼びます。


なので「焼肉で送別会」とは「ようやくあたたかくなってきたホロカナイでバーベキューをして、ジンギスカンも食べて、みんなでワイワイ送別会を行いました」という意味です(笑)

うちのチビ太も子供同士で遊んで大興奮でした。


T先生は、専門内科にすすむ予定とのことですが、専門治療を終えた患者さんが地域に戻ったあとのことまでを想像しマネージメントできる「地域医療マインド」を兼ね備えた専門医になってほしいと願っています。

いや、そんなこと僕に言われなくても、T先生ならなってくれるでしょう。

そうして専門医と地域の医者が車の両輪としてきちんと機能すれば、北海道の医療はもっと良くなるはず。そのためには、地域医療マインドを持った専門医がもっと増えることとプライマリケアを専門として担う医者(総合医、家庭医など呼び方はさまざまですが)がさらにもっと増えることが大切なのです!


ホロカナイでの実習、研修が少しでも、その役に立てればと思っちょります!

実習・研修のご案内はこちらを~
http://www.town.horokanai.hokkaido.jp/hosp/jissyutop/jissyu.html

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2009年6月25日木曜日

放送延期のお知らせ

6月18に日にお知らせした「子どもを守れない・・・ヒブワクチンた足りない!」(仮)というテーマでうけたHBCの取材の放映時間が変更になりました。
 
いまのところ

7月2日(木)18時5分~
HBC「総力報道 ザ・ニュース北海道」の中の特集枠

で放送される予定です。

北海道にお住みの方は是非ごらんください!

当院でのヒブワクチン(全額助成)についてはこちらをどうぞ~
http://www.town.horokanai.hokkaido.jp/hosp/gaiyoutop/shinryoutop/shinryou09.html

2009年6月21日日曜日

北海道国保地域医療学会で発表

20日土曜日は札幌で開催された第14回北海道国保地域医療学会に参加した。

町立病院の事務長と副師長も一緒。

午前中は宮城県涌谷(わくや)町町民医療福祉センター・センター長の青沼孝徳先生の講演。「地域包括医療・ケアを継続して展開するために」というテーマ。いかにセンターが町民に貢献しているかをデータとしてきちんと示されていて、説得力があった。いま国がすすめている公立病院改革ガイドラインは、経済面だけを全面に出し本来の自治体病院の役割・必要性をないがしろにしていることや、行政と病院のコミュニケーション・連携が大切であること、医師の確保が最も大切で困難であることなど、とても共感できた。

午後からは10人が研究発表。僕は9番目だった。

中頓別町国保病院の住友先生の「森林環境の血圧への影響」など面白かった。住友先生は平成17年から森林ウォーキングによる住民の健康づくり(森林療法)をされていて、実際に森林ウォーキングをすると血圧が下がり、これは副交感神経が賦活化されることとストレス軽減作用によるものだろうとのこと。森林療法ドックもされていて、興味深い。実に面白い。

詳しくはこちらを

http://www.town.nakatombetsu.hokkaido.jp/nakatombetsu.nsf/image/01bdbbe608bf20cf492572610022c2f6/$FILE/森林療法ドッグ.pdf

で、僕は「幌加内町の予防医療について〜予防接種を中心に〜」とうテーマで発表した。まあ、発表というより単なる報告でアカデミックではないんだけど、みなさんに知っていただくて演題を出しました。

こんな感じです。

幌加内町は人口1800人弱の農業(蕎麦)を主産業とする町で、高齢化率36.8%と高齢化も進んでいる。町では、住民のみなさんが最後まで安心して暮らせる町づくりを目指し、保健・福祉・医療部門が連携を行なっている。

近年は予防医療にも力を入れており、特に以下のように各種の任意予防接種に対して助成を行うことにより接種率の増加をはかり住民の健康増進をすすめている。また小児の予防接種助成は、少子化対策・子育て支援の一環でもある。

予防接種を中心に、幌加内町における予防医療について述べたい。

助成を行なっている予防接種

肺炎球菌ワクチン 対象:70歳以上 助成額:6000円 

インフルエンザワクチン 対象:中学3年生以下 助成額:全額 

髄膜炎ワクチン(ヒブワクチン)対象:生後2ヶ月〜5歳未満 助成額:全額

ムンプス(おたふくかぜ)ワクチン 対象:16歳 助成額:全額

水痘(みずぼうそう)ワクチン  対象:16歳 助成額:全額

結構緊張してしまったのと、発表時間が7分しかなかったので、言いたかったことのいくつは飛んでしまった。

肺炎球菌ワクチンの高齢者の接種率は全国平均が5%で、ホロカナイではおよそ26%(ちなみに米国は高齢者に保険適応があり、接種率は70%)。中学生以下のインフルエンザワクチン接種率は全国が42%でホロカナイは57%。

ワクチンによって防げる病気は防ぎたいと思っている。米国では今から20年以上前にヒブワクチンは定期接種化されていて、ヒブ(インフルエンザ菌b型)による全身感染症は定期接種前の1100に減少している。こんな事実がわかっているのに、なかなか日本ではヒブワクチンの認可がおりず、その間にヒブによる髄膜炎で子どもを亡くした親御さんはどんなに悔しい思いをされたことだろう。

ヒブワクチンを全額助成している自治体はいまのところ幌加内だけで(7月から鹿児島の伊佐市も全額助成開始)、水痘、おたふくかぜワクチンの全額助成しているところもたぶんないと思う。

任意接種だとやはり家庭への負担になるので、なかなか接種率が上がらない。実際ホロカナイでも水痘やおたふくかぜワクチンの接種者は年に04人だったのが、全額助成を開始した4月からの3ヶ月で、それぞれ7人、10人とすでに以前の年間接種者数の倍以上になっている。

ホロカナイの子どもたちはラッキーだけど、ほんとは定期接種化して日本全国の子どもたちを守るべきだと思う。

こちらも見てください〜

http://www.town.horokanai.hokkaido.jp/hosp/gaiyoutop/shinryoutop/shinryou09.html

http://www.town.horokanai.hokkaido.jp/hosp/gaiyoutop/shinryoutop/synryou07.html

その後は「地域医療再構築に向けてガイドラインを考える」というテーマでシンポジウムがあった。

いろいろ議論はされたけど、目先のことに囚われて、いかに地域住民の意識を高めるかとか地域を担う医師をいかに教育し育てるかなど、長期的な視点での議論まで深まらなかったのが残念だった。青沼先生が最初に指摘されていたとおり、ガイドライン自体の性格のためもありますが。

その後、懇親会があり、中頓別の住友先生はじめ各地域の先生や道の保健医療局長さんともお話できて楽しかった。青沼先生が熱く握手をしてくださったのが嬉しかったです

2009年6月18日木曜日

HBCの取材

火曜の夜は、仕事を終え旭川へ。
楽しみにしていたバンバンバザールのライブに行った!

相変わらずどの曲も素晴らしかったけど、今、この時期に聞くRCサクセションの「空がまた暗くなる」のカバーにじーんとなった。

おとなだろ 勇気をだせよ〜


水曜は午前中、訪問診療を1件、外来では胸膜炎で胸水が溜まった糖尿病の高齢の患者さんをかかりつけの旭川の総合病院へ紹介。

午後からは病棟の患者さんのカンファレンスのあとにHBC(北海道放送)の取材を受けた。

「子どもを守れない・・・ヒブワクチンた足りない!」(仮)というテーマでの取材。

幌加内では今年の4月からヒブワクチン(Hib:インフルエンザ菌b型に対する予防接種。Hibによる髄膜炎の予防ができる)と水痘(みずぼうそう)ワクチン、ムンプス(おたふくかぜ)ワクチンの全額助成(つまり無料)を開始している。

これは、はっきり言って全国初の試み。
人口が少ないから予算をつけやすいということは確かにあるけど、こっそりと実はすごいことをやっていると思っている。

詳しくはこちらを

今回の取材は幌加内以外でも行なわれていて、実際の放映ではホロカナイの場面は少ないとのことだったが、いろいろと暑苦しく(笑)お話をさせていただいた。

HBCの白取さん、スタッフの皆さん、地域医療のことなどお伝えしたいことが多くて、べらべらと失礼いしました。

取材は実際にヒブワクチンを赤ちゃんに接種したお母さんたちにも行なわれた。

ヒブワクチンを接種させてないお母さんのコメントを聞くと、まだ十分にヒブワクチンの大切さを伝えきれていないこともわかった。もっとPRせねば。

問題はいろいろあるが、いまの任意接種を定期接種にすることが一番の解決になると思う。

いまのところ25日18時5分からのHBC「総力報道 ザ・ニュース北海道」の中の特集枠で放送される予定とのことで、ホロカナイのシーンは一瞬かも知れませんが是非ごらんください。

ホロカナイの予防接種事業については今週土曜日に札幌で開催される北海道国保地域医療学会でも発表する。

あ、ちなみにホロカナイでは去年度から中学3年生以下のインフルエンザワクチンも無料です!それ以外の町民の方は1000円です!

その後、訪問診療に行った。

夜は「幌加内そばうたん会」。研修医のT先生には2回目の蕎麦打ちをしてもらった。僕も久々に蕎麦を打った。もっと練習せなば。その後は飲んで酔っぱらいましたー


こんな予防医療が充実した、ひとに優しい町ホロカナイに移住しませんか?
詳しくはこちらを