2009年10月23日金曜日

ついに小児用肺炎球菌ワクチンが承認!

少し前になりますが、10月16日についに日本でも「小児用肺炎球菌ワクチン」が承認されました!!

すでに「大人用」肺炎球菌ワクチン(商品名ニューモバックス)は何年も前から日本でも発売されていますが、「任意」接種のためなかなか普及していませんでした。
インフルエンザ後に細菌性肺炎を併発することがあるため、新型インフルエンザ流行の中ようやく世間でも注目されるようになり現在は在庫が足りなくなり供給制限されています。
それまでの全国平均の高齢者への接種率は5%ほどでした。ちなみに幌加内では70歳以上の方を対象に公費助成があり(6000円助成で自己負担は2000円)、平成20年度末の時点で町内の高齢者のすでに25%の方が接種済みです。

肺炎球菌ワクチンの効果はおおむね5年程なんですが、日本では今までは一生で1回しか接種が認められていませんでした。そのためホロカナイにはせっかく助成制度があっても70代前半で元気な方には、なかなか早期接種をすすめることができませんでした。
が、先日ついに厚労省が初回接種から5年以上経った場合の2回目以上の接種が認めました。新型インフルエンザが流行してしまっている今になって「いまさら」感がぬぐえませんが、日本のワクチン行政の大きな一歩と思います。

と、話が「大人用」に逸れてしまいました。

肺炎球菌は名前のとおり、肺炎の原因にもなるんですが小児の感染症の原因として最も多い細菌で、髄膜炎、中耳炎、敗血症などの原因にもなります。小児の細菌性髄膜炎の原因菌で最も多いのがヒブ(Hib:インフルエンザ菌b型)で約6割を占めますが、このヒブに対しては昨年12月からヒブワクチンが日本でも発売されています(しつこいですが、ホロカナイではヒブワクチンは無料です!)。残念ながらこのヒブワクチンも「任意」接種でなので、早期の「定期」接種化が必要です。
そして小児の細菌性髄膜炎の原因菌で2番目に多いのが、肺炎球菌で2割弱を占めます。肺炎球菌による髄膜炎も、ヒブ同様に死亡率や重度後遺症が多く重症化しやすいのが特徴です。

で、世界各国では2000年頃から小児の肺炎球菌ワクチンの接種が始まり、その有効性が認められていて2007年にはWHOがこのワクチン導入を推奨しています。

肺炎球菌には色々なタイプがあり、今回の小児用の肺炎球菌ワクチンが全てのタイプに効くわけではないんですが、重症化するタイプのなかの7割に効果があると言われています。

ヒブワクチンと小児用肺炎球菌ワクチンを早期(生後2〜6ヶ月)に接種開始することで、子どもの細菌性髄膜炎の7割強は防ぐことができるんです!

なので1日も早い発売が待たれるところですが、発売の見込みは来春ころになるようです。

詳しくはワクチンメーカー「ワイス」の記事をごらんください。

ワクチンで防げる病気(VPD)を知って子供たちの命を守る

細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会

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